短歌 2023.09-11
終わらない世界に僕を置き去ってあなたの月は欠けていますか
「生きること中毒」なのよ苦しくて気持ちよくって明日も生きるわ
雑貨屋で自殺の手引き買ってみた「生きたらいいよ」と著者は泣いてた
「死ねばもうラクになれるし」「死んだことあるの? それとも誰か言ってた?」
「愛してる」誰が誰をかわからない主語も述語もない愛でした
息づいた筈の命を踏みつけて死体のように生きている日々
長いねとあなたが言った僕の曲言いたいことの一パーセント
生きたくはないと言ったら嘘になる(「死にたくない」も嘘になるけど)
「大丈夫です、一過性です」みんなそんな命の患者なのです
泣き叫び続ける僕に父親が静かな声で説教してた
世の中の「ふつー」を上手く装えば生きることなどラクなんですか
投げられた君にとってのひと匙はわたしにとってのすべてだったの
またひとり別れを告げてさよならのオーバードーズまだ死ねないよ?
サイレースよりベゲタミンよりラボナよりもっと強いやつ飲む日が来るらしい
三桁の数字と二つの英単語だけでいつかは在ったと知った
哭き吠えて哭き吠えてもうこの喉が潰れ静かに哭けますように