褪せた酸素

酸素が褪せてゆく
呼吸に混ざるノイズ
ふたつの肺が
互い違いに鳴いた

みえないものを欲しがって
延ばしあう腕と腕
交わることなどないままに
崩れ落ちてしまう

いきがじょうずにできないの

酸素が褪せてゆく
ノイズはやがて
君の名前に変わる

とらえてくれる鼓膜はもう無い