溶ける

水には溶けない僕だけど
自分のカタチが保てないような
気がする春の時雨の中
どこか遠くへと流れたい

人混みの中歩いていたら
自分が誰だか分からないような
気がして時々振り向いて
自分がいないか確かめる

どうしてこんな気持ちになるのか
誰か教え
ないで
僕は僕を分かりたくない
誰にも分からせたくない

溶ける
溶ける
人混みに紛れて
溶ける
溶ける
知らない誰かの中へ

 

お湯にも溶けない僕だけど
自分のキモチも保てないようだ
漂う春の霞の中
消えてなくなってしまいたい

溶ける
溶ける
どこまでも薄まって
溶ける
溶ける
透明になるまで

 

どうしてこんな気持ちになるのか
なんとなく分かっちゃうよ
僕は僕を騙し続ける
誰にも気付かれないように

溶ける
溶ける
人混みに紛れて
溶ける
溶ける
知らない誰かの中へ