マチカド
細い道を一人で歩く
行きたい場所などない
会いたい人などいない
あてどなく一人で歩く
マチカド マチカド
街のかどっこは
どこにあるのだろう
暗い道を一人で歩く
マチカドへ行きたいから
マチカドで誰かが待ってくれている
そんな気がしたから
靴が擦り切れた
足の裏が血だらけになった
もう立てなくなった
膝立ちももうできない
体を道に投げ打って
なんとか匍匐前進を繰り返した
けれどもう
体中が血まみれで
マチカドに辿りつけなかった
街のかどっこがどこにあるのか
見つけられなかった
暗くなった空から豪雨が流れてくる
傷口から酸性雨を吸い込んで
なんだか満たされていた