悲しい
君が死んだら悲しい
とあなたが言うから悲しい
死にきれなかったわたしが
静かに泣きじゃくる横で
あなたはギターの古い弦を
ぱちぱちと切っていった
君が死んだら悲しい
と呟く
その声は冷えきっていて
ちっとも悲しそうじゃなくて
だからわたしの世界は
急速にシラけていった
弦を一本ちょうだい
震えるわたしの声に
あなたはただ嘲笑った
その弦でもう一度
首を吊って今度こそ
君が死んだら悲しい
とあなたが言うけれど
そんなのが嘘だって
証明したいから
シラけた世界に
あてどないQ.E.D.が
ふらふらと浮かんでいた
悲しい
君が死んだら悲しい
とあなたに言わせてしまう
自分が悲しい