白線

壊れた充電器を
腕に埋めこんで
彼女はふらふらと車道を歩く

白線を大きくはみ出して
彼女の足は
擦り切れている

僕は優しくなんかない
傷付くのが得意なだけ
弱いフリが得意なだけ

君の不幸を餌にして
僕はもっと優しくなれる
そんな僕を
誰か

ころしてください

白線を赤く染めながら
彼女は空への階段を昇る

僕は優しくなんかない
優しくなんかなりたくない